背教

- Collection004 -

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「あらすじ」を読み返せます

【ボリス】
キャラクターシート

キャラクターシートを読み込んでください。(目安時間20分)

基本情報

※ゲーム上、比較的あたりさわりのない情報です。

家族や知人のなかに「ドナート」という名前の者はいない。いったい何が起こったんだ。


「ボリス、神に従順に過ごすのですよ。他に惑わされてはなりません。

偉大なる『空の神』は、強くあたたかな光で我々を照らしてくださるのですから」

神への信仰を取り仕切る聖職者である父、アズレトからいつもそう教えられる。

ぼくは赤ん坊のころに身よりを亡くしたが、今の両親に大事に育てられてきた。

実の親は、この村に聖堂を建てるため父達と共に尽力した人物だったらしい。

家柄もあり、ぼくは「祈りの言葉」などには幼いころから馴れ親しんできた。

忌むべき時間とされる夜にはなるべく出歩かない。

半年ほど前、大人たちから「悪魔の棲家」には近寄らないよう言いつけられた。村の南端のさらにむこうにあるらしい。もともと足を運ばない場所だが、どんな恐ろしいところなんだろう。


2週間前のこと。木こりのユスチンが、近くの山で倒れていた男を村へ連れ帰った。

獣に襲われたらしく、重傷だったが、一命をとりとめて村の中心にある聖堂で保護された。

名前はヤーコフ。彼の傷は深く、満足に歩けないほどの状態だ。大人たちは「戒律」に従い、常に見守りの番をおいてヤーコフの介抱をするようにした。

ぼくたち子どもにも、その当番は回ってきていた。

重要情報

※ゲーム上、話しすぎると不利になる可能性があります。

重い傷で体が自由に動かせないことには同情するが、ヤーコフのことはなんだか好きになれない。柔和な顔つきの奥に、ぼくたちとは違った雰囲気を感じる。

介抱の世話の折に教えたぼくたちの「戒律」や「祈りの言葉」の飲み込みも早く、神への信仰心は本物のようだ。しかし、何を考えているかわからない不気味さがある。


そもそも、ヤーコフを拾ってきた木こりのユスチン。この男のこともぼくは信用していない。

以前イワンの家に遊びに行った際、村の南端のさらに先へ向かおうとするユスチンを見た。

食糧や雑貨を抱えていたが、ユスチンの家は村の北端あたりのはず。何か怪しい。



昨日の行動。

早朝から正午まで、聖堂でのヤーコフの介抱の当番はぼくのはずだったが、前日にナターリヤに頼んで代わってもらうことにしていた。

その日は父、アズレトが家にいる日だったので、読み書きを教わっておきたかったのだ。

母は前日から夜通しで世話番だったらしく、寝室で休息していた。

父は朝からつきっきりでぼくの勉強をみてくれた。賢く、優しく、尊敬できる人だ。

そういえば、最近ナターリヤは家族の話をしなくなったな。彼女も唯一の血縁である父親のことをとても敬っていたはずなのに。


正午。日課の祈りを捧げ、昼食をとったあとにも読み書きの練習を続行した。

夕方、村の北端の井戸へ水汲みにいくため、勉強を中断する。帰ったらまた父に勉強をみてもらうことを約束して家を出る。井戸に着いたのは、日が沈む1時間ほど前だ。

無事に汲み終わって帰ろうとしたとき、水瓶を抱えたヴァルヴァラが井戸へ向かって来た。

1年前、ヴァルヴァラは夫を病で亡くし、その葬儀が聖堂で行われた。そのしばらくあとからすっかり姿を見かけなくなった女性だ。ひ弱そうな体が痛々しい。

ヴァルヴァラは周囲に人影がないか気にする様子で、ひっそりと水を汲もうとしていた。

声をかけづらく、ぼくは隠れるようにして井戸を去った。

ふと空を見上げると、遠くに煙が立ち昇っている。山火事でもあったのだろうか。


家に戻ったのは、日が沈む30分ほど前だった。父の姿はなかった。

「ついさっきまでここにいたようだけど、ピョートルさんに呼ばれて急いで出ていったの」

母はそう言って、しばらくしてから世話番のために聖堂へ出かけて行った。

練習がてら「祈りの言葉」を紙に書き写しながら、父の帰りを待つ。

「・・・我々は空を仰ぐ。我々は神のみを信じる。心には安寧を、魂には永遠を・・・」


夜も更けたころ、父、アズレトは憔悴した表情で帰ってきた。服は黒く汚れていた。

「父さん、一体どうしたのですか!?」

「・・・目をそむけてきた私の責任です・・・」

「え?」

「・・・そうするべきではなかったのに・・・」

それっきり会話はなく、不安を感じながらもぼくは寝床に入った。

ミッション

※以下のミッションにしたがってゲームを進めてください。

①ドナートを殺した犯人が誰なのか考える。
②アズレトの信用が損なわれないようにする。

全員がキャラクターシートを読み終えたら、議論パートへ進んでください。

議論パートへ

概要

あらすじ

尊ばれる戒律、
一。
「大いなる存在を讃えよ」

二。
「淫らな不貞を慎め。欲深い贅沢を避けよ」

三。
「傷と病に苦しむ者には慈悲を与えよ」

四。
「隣人を殺す者には直ちに罰を与えよ」

・・・。


『空の神』を崇めながら静かに暮らす山間の小さな村落。

そこに生まれ住む3人の子どもたち。


今朝早く、村の中央にある聖堂へ大人たちが集められていた。

3人はいつも通り太陽の下で戯れていたが、ふとした拍子に、声をひそめた大人たちの会話を耳にする。

「昨日、ドナートが殺された。・・・あれは子どものしわざだ」


その夕暮れ、秘密基地に集った3人は誰からともなく口を開いた。

「・・・この中に、犯人がいるってこと?」

プレイ時間の目安

キャラシート読み込み

15分
議論パート①

12分
議論パート②

12分
議論パート③

12分
議論パート④

12分

※議論パート毎に、新たな共通情報①〜④が追加されます。

推理パート

7分
結末、得点計算パート

10分
合計時間

80分

キャラクター情報

イワン

村に住む少年。いつも明るく、好奇心旺盛。牛飼いの父親と母親と住む。

ボリス

村に住む少年。村唯一の聖職者の息子。両親とは血がつながっていない。

ナターリヤ

村に住む少女。生まれてすぐ、母親を病で亡くしている。大工を生業とする父親を健気に支えながら暮らす。